2013年12月08日
ヒアリング(スピーカー)
測定をすることも重要ですが、訓練により耳で聴くほうが早く的確に不良箇所を発見できる場合もあります。
メンテナンス前の初期状態から、各部点検・処置後の確認においてヒアリングは必須です。
2013年12月08日
ネットワーク修復・補強
スピーカーは、それ自身が大きく振動するだけでなく、運搬時の振動の影響も受ける為、内部にマウントされているネットワーク、特に基板実装タイプのものはダメージを負うことがよくあります。
単純に振動によるはんだクラック、基板や部品を支える機構の破損もありますが、大音量時に流れる電流によって部品が高温になり、焼け焦げているものもみられます。
部品交換やはんだ修正を行うのはもちろんの事、故障状況により振動対策・発熱対策が施されます。
2013年12月08日
ストロボスコープ
主にスピーカーユニットを単体でチェックする時に、ヒアリングと併用してストロボスコープを使い、高速で振動している状態の各部動作を目視します。
これにより、例えばボイスコイルからターミナルへの引き出し線の最適な長さや、たわませる量がわかります。
短すぎると、単純に張り切ってコーンの動作を妨げたり、引きちぎられます。長すぎる場合、コーンと同一方向の振動だけでなく、なわとびのように回ったり波打つような動きをして、引き出し線の両端が金属疲労でちぎれやすくなります。
その他、フレームと振動系との接触マージンなども確認できます。
2013年12月08日
カスタマイズ(メーカー交互利用)
リコーンキットや交換用ダイヤフラムがどうしても手に入らない場合などに、互換性のある他モデル・他メーカーの部品を利用することがあります。
音色は変化しますが、調整によりできる限りオリジナルに近づけます。
当然、耐久性も同等のものを選んでいます。
まれに、部分的に形状・寸法が合う部品が何種類か見つかることもあり、それらを組み合わせて修復をすることもあります。
2013年12月08日
エッジ修復
ウレタン素材でできたエッジが、経年劣化によってボロボロになっていることがよくあります。
それ以外に、クロスエッジ(布)であっても、含浸されているダンプ剤が硬化するなどして裂け目ができていることもあります。
純正エッジパーツを使用するのも手ですが、当社では、試行錯誤を繰り返し完成した耐久性の高いエッジ製作を行っています。
内部損失が大きく、かつ劣化しにくい素材を現物合わせで切り出し加工したものに制動処理を施します。
これによりエッジからの不要な音の放射を抑え、より豊かな音を実現しました。
開発者の実験では、測定結果が最も鹿皮エッジに近かったとの事。
他の同一モデルと音の差が出ては困る、という場合に備え、再利用可能なエッジのストックもあります。